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半田広宣コラム 「ヌースの時間」

昭和、平成、そして令和に生きて



昭和、平成、そして令和に生きて

新しい年号が「令和」に決まった。昭和の高度成長期に青春時代を過ごし、平成の30年間をヌーソロジーの構築とその技術化に捧げた私にとって、この新しい年号に慣れるにはまだ多少の時間がかかるだろう。

平成は文字通り、何もかもがフラットになった時代だった。1989年、平成の幕開けと共に、コンピューター社会の加速度的な進化が始まり、現在ではスマートフォンの登場とともに、政治、経済、文化、あらゆる分野のコミュニケーションがすべてデジタル化しつつある。

2001年、ニューヨークテロがおこった際、私は講演会で「これからは暴露の時代になるだろう」と予言した。個人も組織もその背後に支配や権力の仄暗い欲望を抱えている。
それらは表面上は舞台裏に隠されているが、これからインターネット社会が進んでいけば必ず白日のもとに晒されるようになる、そういう話をしていた。暴露サイトやサイバー犯罪での個人情報の漏洩など、実際に時代はそうなった。こうした暴露の連鎖が始まると、社会的な価値観は総崩れし、不信感や不安感のもと、社会はどんどん劣化し始める。

日本人の心の劣化もその追随現象だ。校内暴力が横行し始めたのは80年代からだが、90年代にはそれが「キレる若者たち」として社会に表面化した。2000年代になると、今度は「うつ・ひきこもり」が同じく社会問題化する。そして2010年代からはストーカーに代表されるボーダー(境界性人格障害)が問題化してくる。90年代は外に向かってキレ、2000年代は内に向かって引きこもり、2010年代は外にも内にも行き場を失った意識が他者に絡みつき、自分を失った他者依存にまで至ったという構図だ。モンスターペアレンツ、クレーマー等、心の劣化に起因する社会の劣化は今もどんどん進んでいる。

思い返せば2010年頃までは、心のトラブルの原因もさほど複雑ではなかった。酒井博士との昔の対談を読み返しても、心を病む理由付けはある程度はっきりしていた。しかし、現在は、専門家でも理解できないトラブルが増えていく一方だ。

心の劣化はどこまで進むのか?現在の革新的テクノロジーとしてこのままAIが進化すれば、人間がやっている仕事のほとんどがなくなるとも言われている。これは、経済的コミュニケーションの終焉を意味する。働くことが人と人との繋がりを作り、それが財をなし、幸福につながる…。そんな価値観が通用しなくなったとき、私たちは心の拠り所を失ってしまう。まさに危機的な状況が間近にやってくる。

令和が今後、令(うるわし)き時代になるのか、令(法・いいつけ)でがんじがらめの時代になるのか、それはこれからの私たち一人ひとりの生き方にかかっている。むき出しの社会に投げ出されても卑屈になることなく、自分の足で立てる強い精神性を育むことのできる新しい世界観が今こそ必要とされる時代ではなかろうか。

2019年6月-ブロッサムNo.76

新たにやってくる時代に向けて

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半田 広宣

半田 広宣Kohsen Handa

福岡県生まれ。1983年心身を健康にする未来型健康商品の開発・販売を始める。株式会社ヌースコーポレーション代表取締役。現在、武蔵野学院大学スペシャルアカデミックフェロー(SAF)。

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