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半田広宣コラム 「ヌースの時間」

水に潜む霊性に思いを馳せて



水に潜む霊性に思いを馳せて

「水」という言葉を聞いて、皆さんは真っ先に何を連想されるだろうか。私の場合は今年7月に中国地方を襲った集中豪雨だった。これは今までの水害には見られないような異様なタイプの水害だったので、その記憶が未だに生々しく脳裏に焼き付いている。

奇しくも同時期に、水の重要性を改めて考えさせられるニュースがメディアを賑わせた。それは水道民営化を含む水道法改正案が衆議院で可決されたことだ。
これを受けて、すでに大阪市などの自治体が水道事業の民営化に名乗りをあげ、下水道事業に関しては、浜松市などはすでに外資系のJV(ジョイントベンチャー)に売却しているとも聞く。この辺りのニュースもかなり気がかりなところではある。

急激な人口増加や工業の発展で、世界は今深刻な水不足問題に直面している。地球には水の惑星のイメージが強いので、世界全体が水不足状態にあると聞いてもピンとこない人が多いかもしれない。特に日本人の場合は水資源に恵まれ、普段の生活で惜しげも無く水を浪費し、水の大切さを忘れているので、現在、押し迫って来ている水不足問題に極めて鈍感だ。

今後、世界的な人口増加とともに、水不足の問題は極めて深刻の度を増すことは間違いない。それを読んで世界の水ビジネスが活気付き、現在の民営化のような動きが出てきているのだ。

さて、このように水を私たちの生活に欠かせない重要な資源として再認識することはもちろん大事なのだが、水の重要性をより深く受け止めるためには、水を単なる自然が用意した資源として見るだけではなく、水に潜む霊性に思いを馳せてみることも必要なのではないだろうか。

日本における代表的な水の神(水神)はイザナミから生まれたとされるミズハノメである。
一昨年大ヒットしたアニメ映画「君の名は。」の三葉(みつは)の名前はこのミズハノメに由来するとも言われている。ミズハノメの「ミズハ」は「水走」や「水つ早」と解され、定説では、灌漑のための引き水や、水の出処である泉、井戸のことと解釈されるのが普通だが、私的には「世界全体をめぐる水の流動性」としてダイナミックにイメージしたい。

水は神道に限らず、ヒンズー教でもキリスト教でも、およそほとんどの宗教で浄めの力を持つとされている。水は体を浄めもすれば、土地も浄める。そして何と言っても、その最大の浄めは「ノアの洪水伝説」における地球全体に対する浄めだ。この浄めによって、そのとき地球を汚していた人類は一掃されてしまったという。だからこそまた、昔の人々は水に畏敬の念を持ち、水の中に大自然の調和を保つ神の姿を見たのではないかと思う。

こうした水に対する畏敬の念を、私たち現代人は今一度取り戻さないといけないのではないだろうか。水は天から来て天へ昇り、そしてふたたび大地へ下りる。その運動を絶えることなく繰り返している。
そういった水の流動性を見て、詩人ゲーテは「人間の魂は水に似ている」と言った。そのイメージから言うなら、水の存在なくしては、物質的な自然同様に、わたしたちの精神的な自然も砂漠と成り果ててしまうことだろう。

水に対して人間が持つ本来あるべき感受性を取り戻さなくてはいけない。水は私たち人間の霊性と深いところで繋がっている。生命と地球環境を大切に守る感覚も水へのこうした意識から始まると言っても過言ではない。

2018年12月-ブロッサムNo.74

天と人の心の繋がりを意識する

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半田 広宣

半田 広宣Kohsen Handa

福岡県生まれ。1983年心身を健康にする未来型健康商品の開発・販売を始める。株式会社ヌースコーポレーション代表取締役。現在、武蔵野学院大学スペシャルアカデミックフェロー(SAF)。

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