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半田広宣旧コラム 「ヌース的人生のススメ」

三つの赤ら顔



先週、ゴミ出しの帰りでの出来事。エレベーターでたまたま乗り合わせた上階に住むご婦人が激しく咳き込んでいた。反射的にこれはヤバイと息を止めたものの、我が家は6階、相手は7階、上に辿り着く頃にはほとんど窒息しそうになって、顔面紅潮。6階に着くや否やもの凄い勢いでエレベーターから飛び出し、ゼェーと深呼吸するはめに。エレベーターの扉の締りは遅い。ご婦人にはさぞ不愉快な思いをさせたことだろう。

それもこれも新型インフルエンザ騒ぎのせいである。去る5月16日神戸で日本初の感染者が確認されて以来、わずか2週間あまりの間に感染者数はすでに400人を超え、着実に日本全土に広がってきている。
現時点では季節型のインフルエンザとさして変わりはない症状とはいうものの、専門化筋によればいつ強毒性に変化するやもしれず、決して予断は許されない状況だという。日本全国まさにヘビの生殺し状態だ。

こうした中途半端な状態が精衛生上、一番よくない。不安だけが先走り、疑心暗鬼に陥ったわたしのようなふつつか者が事態を必要以上に悪化させるのは目に見えている。実際、メディアの慎重さを欠いた報道が風評被害を誘発したり、ここぞとばかりに一儲け企む輩もいる。

聞くところによると、インフルエンザ60年周期説というのがあるらしい。新型インフルエンザは60年サイクルでトリ型からヒト型へと変移するという説だ。還暦というわけでもないだろうが、自然界に60年周期というのが結構見られる。

たとえば竹の開花がそうだ。竹の花は60年に一度だけ一斉に花を咲かせ、その後、竹やぶの竹を自ら一度一斉に枯れさせる。それは竹自身が健全に生き延びるために選択した彼ら独自の繁殖の在り方でもある。竹は普段はタケノコの形をとってクローン的に繁殖して行くが、それが限界になると花を咲かせ有性生殖をして一種の間引きを行うというわけだ。その周期が60年。
もし、インフルエンザ60年周期説が正しい説だとするならば、インフルエンザの流行という現象もまた自然が選択した人間に対する「正しい繁殖の在り方」の一環なのかもしれない。

自然は人間の預かり知らないところですべてがつながっている。人間が招いた自然破壊や、自分だけは助かりたいとするエゴ的な意識が、こうしたウイルスの変移とどこかで繋がっていると考えても何の不思議もないのではないだろうか。とすれば、インフルエンザに対する抗体はインフルエンザを必要以上に恐れない、敵視しないということになりそうだ。

嗚呼、かのエレベーターでのわたしが今や恥ずかしさで赤面している。今度は発熱で赤面して他人に迷惑をかけないことを祈るばかりだ。

2009年6月-ヌース通信No.36

ヌース的な初盆

経済が終わる日

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