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こころの相談室 酒井先生からのアドバイス

社会人のための心の健康対策(3)



社会人のための心の健康対策(3)

勤務時間中に、メンタルヘルスについて注意しなければならないことはありますか?

会社によっては、カウンセラー契約しているところもあり、調子の悪い社員はカウンセリングを数回無料で受けられるという制度を採用しているようです。
ところが、カウンセラーであれば、何でもいいという訳ではないのです。実は、カウンセリングで悪くなってしまうケースが非常に多いのです。

それはなぜか。誤解を恐れずに言うと、残念ながら日本ではまだまだ良いカウンセラーが少ないのです。例えば、本来、症状に関係のない生育歴などを掘り下げられて、逆に調子が悪くなるということはよくあることなのです。
相談者の中には、溜まっているものを全部発散させたいから、言いたいことを言いたいという人が結構多いのです。カウンセラーは単にそれを聞くだけであればよいのですが、聞いた後にいろいろなアドバイスをしてしまう。それが逆効果になってしまうのです。聞くだけにとどめる方がまだ安心なのです。

ですから、会社のメンタルヘルス対策のシステムに従っていくと、かえって悪くなってしまうというケースは、意外と頻繁に起こり得ることなのです。こうした側面はカウンセリングだけでなく、実は精神科医にも同じことが言えます。
プライベート同様、カウンセラーも医師も相性が大切です。合わないな、と思ったらすぐセカンドオピニオンを受けてみられて下さい。

オンオフがあるということが心にはとても必要なことです

勤務時間外の時にやってはいけないこと、注意しなければいけないことなどがあれば教えていただけますか?

本来、休日の場合は勤務時間外ですから、会社から個人携帯に、基本的に連絡が来ない状態でなくてはいけません。
基本として連絡してはいけないというのが当たり前のはずが、現在では会社だけでなく顧客からも連絡が来るというケースが多いのです。せめて、会社からの連絡だけに留めたいところです。なぜなら、そのような環境では心身を休めることはできないからです。勤務時間外というのは、仕事から完全に自由になるようにしなければなりません。
つまり、オンオフがあるということが、心にはとても必要なことなのです。

今、ICTが進化して、いつでも、どこでも、誰とでも繋がれるといったことがビジネスの世界で矢継ぎ早に進められていますが、心身の休息という観点からは、大きな危険をはらんでいるということが言えます。
もちろん、勤務時間中であれば良いのですが、土日、深夜となるとこれはNGです。使い方によっては、心身の休息時間が奪われ、本当に悪循環を生み出す可能性があります。連絡する側もオフタイムの際には、緊急の時以外できるだけ連絡をとらない、という配慮を持っていただきたいものです。

もし、現在の職場が、既にそういった環境であったとしても、精神的に厳しい、体調が厳しい状況になったとしたら、お客さんに一声かけて「お休みの間は電源を切らせていただきます」ということを先に伝え、休日は完全に電源を切ってしまうということも対策としては大いにアリなのです。シリアスな状況になる前に、そういった状況は変えなくてはいけません。

最後に、精神科医という立場から、忙しい日々を送る社会人の方々へアドバイスをお願いします。

自分自身がリフレッシュできる「遊びのための時間」を十分に取るように心がけてください。それから、会社は少しずつ様々なことを押し付けてきますので、それをノーと言える勇気を持っていただきたいと思います。
実際、社会人の場合、当たり前のように深夜まで残業したり、休日を返上して仕事をしているというケースは多いのです。しかし、そういうことには極力ノーと言わなくてはいけません。会社にとって都合がいい存在になってしまうと自由を奪われてしまいます。

昔は会社のために自分を犠牲に──という時代もありましたが、今はいろいろな意味で、それが成り立たなくなっています。「会社のために自分を犠牲にする」のではなく、「自分のために、あるいは、自分の家族のために会社を犠牲にする」、それくらいの考えで臨まなければ、厳しいところでは自分や家族を守れない。そんな時代になってしまっているのです。

今回オススメしている、オンとオフでできるストレス解消法をライフスタイルに取り入れ、日々の中で上手にストレスコントロールをしていただきたいと思います。

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酒井 和夫氏

酒井 和夫氏Kazuo Sakai

1951年東京都生まれ。東京大学文学部卒業、筑波大学 医学研究科博士過程修了。現在「ストレスケア日比谷クリニック」院長。オリコン・エンタテイメントより発売の書籍「患者が決めた!いい病院 2007年度版」内にてストレスケア日比谷クリニックが第3位に選出。

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