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こころの相談室 酒井先生からのアドバイス

社会人のための心の健康対策



社会人のための心の健康対策

うつなどの心の病に悩む人が急増している昨今、メンタルヘルス対策を導入する企業も年々増加傾向にあります。しかし、心の不調を未然に防ぐためには、会社の対応だけでなく、個人の取り組みが非常に重要となります。
企業という組織の中で、社会人が日々働きながら如何にして自分自身のケアをしていけばよいのか、メンタルヘルスに関する具体的なケア方法や心がけについて、お話を伺いました。

会社が苦痛と感じている人は昔に比べて圧倒的に増えています

職場のストレスが原因で不調をきたす社会人の数は、年々増えているのでしょうか?

会社のストレスで調子が悪くなっているという人は、やはり現在とても増えています。
今から20~30年前というのは、8割以上の人が会社生活に満足していたのですが、現在は、9割5分近くの人が会社を辞めたいと思っているというデータもあるのだとか。それくらい大きな違いがあります。
残念なことですが、多大なストレスを受け、会社が苦痛で仕方がないという人は、昔に比べて圧倒的に増えているのです。

なぜ、それほどまでに強いストレスを抱え、悩んでいる人が増えているのでしょうか。
もちろん、原因は1つではなく、さまざまな要素が複合的に関連していますが、例えば、分かりやすい例を挙げてみましょう。

ある外資系の企業では、15分単位で、何をしたかを全部記入していかなくてはならない、というケースがあります。それを上司がチェックし、甘いところがあると、この時間帯は何をやっていたのですかと聞かれてしまう。これが延々に続くのです。そこで働く人間には、当然のように耐えがたいストレスがかかります。外資系では、もともと労働という価値を、ある一定時間の中でどれだけ達成できたか、という徹底した生産効率の観点から評価されますが、今では、こうした傾向は外資系に留まらず、日本企業においても広く浸透しつつあります。
このような職場環境では、非常にストレスの負荷がかかりやすく、そこで働く人々が調子を崩しても、まったく不思議ではありません。現に多くの人々が不調に陥り、会社を辞めていくケースが圧倒的に多いのです。
要するに、会社にいる意義と意味が感じられなくなっている状態です。達成感を得られにくく、効率化という歯車のパーツになったような感覚しか持てないのかもしれません。

もし、自分自身で防衛したり、対策することで乗り切れる状況だとしたら、具体的にどのようなことができるでしょうか。

その答えはもう決まっています。それは、できるだけ手を抜くことです。
なぜなら、人間の脳が連続して集中できる時間というのは、1時間や1時間半だと言われています。ところが、先ほどのケースのような場合では、数10分単位で管理され、マシンのように8時間のすべての時間において、高い集中度が要求されるのです。これはもう、破綻して当然です。それくらい無理だと分かることなのです。にもかかわらず、もしそれが要求されているのだとしたら、できることはただひとつ。如何に手を抜くかということを考えるべきなのです。

しかし、ここには、もうひとつ問題があります。
それは、そのような危機的な状況に陥っているということ自体を、自ら認識することが難しいということです。なぜなら、学生時代からほぼすべての入退室管理がICカードなどでなされてきている昨今の世代は、不自由の方が当たり前。数10分毎の管理なども、あまり疑問に思わない。もう、仕方ないと思ってしまうのです。

つまり、気付けない環境で育ってきているのです。だから、気づかないのが普通なのです。その結果、体調が悪くなって、はじめて自分が危機的状況に陥っていることに気付くというケースが非常に多いのです。
肩こりが多い、ちょっと眠りづらい、食欲が多くなりすぎる等、そういった体の症状として表れてきます。それを心のストレスサインだと思えば、心のSOSは、実はとても分かりやすいものなのです。体の症状として表れてきて、ストレスで自分はちょっとおかしいかもしれないと気付けたとしたら、何よりもまず、働き過ぎをやめることです。

人間の中には、他人に認められたいという気持ちが強くあります。ですから大変であったとしても、多くの場合、無意識的に働き過ぎてしまうのです。

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酒井 和夫氏

酒井 和夫氏Kazuo Sakai

1951年東京都生まれ。東京大学文学部卒業、筑波大学 医学研究科博士過程修了。現在「ストレスケア日比谷クリニック」院長。オリコン・エンタテイメントより発売の書籍「患者が決めた!いい病院 2007年度版」内にてストレスケア日比谷クリニックが第3位に選出。

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