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ほしのかたちみ~イデアサイコロジーの世界~

第7回 イデアサイコロジーってなに?



2年前からこの「ほしのかたちみ ~イデアサイコロジーの世界~」を連載させていただいていますが、「イデアサイコロジーってなんだろう?」とお思いの方も多いかと思います。
イデアサイコロジーとは、私春井星乃が大学・大学院時代からの研究と精神科クリニックでの臨床経験をもとに独自に作り出した「性格と意識発達に関する理論」です。これまでの連載では、このイデアサイコロジーをもとに現実生活で生じるいろいろな問題についてお話ししてきましたが、今回から、このイデアサイコロジー自体の内容を数回に分けてご紹介していきたいと思います。
今回は、私がなぜイデアサイコロジーを作ろうと思ったのかというお話を、自己紹介を含めてしてみたいと思います。

私は中学生の頃から「人間の性格はどのように作られるのか」ということに強い関心があったので、心理学の研究者を目指して大学院に進みました。個人の性格が生まれてから成人するまでに、遺伝や親子関係、家庭環境、学校環境などを通してどのように作られるのかという総合的な研究をしたいと思っていたんですね。
でも、現在の日本の心理学では、性格研究と言っても分野が細分化されていて、多くは成人後のある時期に質問紙テストなどをして、「外向性」「内向性」「自己肯定感」などのいくつかの要素を抜き出して研究するという方法がメインとなっています。なので、私のしたかった一個人を長期的に総合的に見るという研究はできなかったんです。

そこで研究者は諦めて臨床心理士になり、精神科クリニックで臨床経験を積みながら、その後約20年かけて、「一個人の性格が、乳幼児期から成人するまで、遺伝、親子関係、家庭環境、学校環境などを通してどのように作られるのか」ということを明らかにするために、イデアサイコロジーを作ってきました。

「外向性や内向性、自己肯定感という要素だけで見るのはどうしてダメなの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
性格研究の大きな目的の一つは、「皆がよりよく幸せに生きるための知識を提供すること」だと思うのですが、「外向性」「内向性」「自己肯定感」などのある要素だけを数値化しても、実際のその人の行動パターンを変えて生活を改善することはできないと私は思っています。

例えば、同じように「内向性が高い」というテスト結果が出たAさんとBさん、Cさんがいたとしましょう。「内向性」とは「興味や関心が自己の内面に向けられ、内気で思慮深いが実行力や社交性に乏しい性格傾向」ですが、これがどのような原因から生じているのかは個人によって変わってきます(下図参照)。

つまり、Aさんは純粋に遺伝の影響が強く、Bさんは学校環境の影響、そして、Cさんは遺伝と家庭環境の影響の両方で内向性が高くなっていると言えます。
ですから、あるテストで同じように「内向性が高い」と出たとしても、それは遺伝的影響から来ているケースもあれば、親子関係や学校での経験から来ているケース、さらには複数の要素が重なり合っているケースもあるということなんですね。Aさん、Bさん、Cさんの育った環境や出来事をにまとめてみると同じ「内向性が高い」と出たとしても、ケースが異なったり複数が重なり合っていることもあり得るわけで、一括りにまとめられるものではないことがわかります。
こういうことは、現在の性格研究では詳しく研究されていません。でも、その性格傾向を生み出している要因が分からなければ、実際の行動や感情、考え方のクセなどを変える適切な方法を見出すことは難しくなってきます。

人間の幸せは、家族や友人、恋愛、結婚、子育てなどの人間関係と仕事に大きく分類できますが、これらの幸せを掴むためには「いかに自分を知りうまくコントロールしながら、長所や才能を社会的に生かすことができるか」が鍵となります。人間は、自分の精神的安定を保つために無意識的に行動してしまう傾向があり、それが現実生活の幸せを阻害しているケースが多いんですね。

このような「自分が無意識に陥りやすい感情や思考、行動のパターンとその原因を把握し、それをコントロールしながら、長所や才能として生かす」ための実践的な知識を提供するのが、イデアサイコロジーということになります。

内向性が高いという性格の方3名に対して、育った環境や出来事を元に分析 ―

  • Aさん
    遺伝の影響が強いタイプ

    性格は内向的なお父さん似。親子関係は良く、幼稚園や学校でも特に問題は無し。

    遺伝の影響を受けて先天的に内向性の高い性格となる方もいらっしゃいます。

  • Bさん
    学校等の環境によるタイプ

    幼稚園までは社交的。小学校でいじめに遭い、その後内向的な性格に。

    成長過程の中での社会的な環境(学校等)における体験が影響して内向的になる方も。

  • Cさん
    複数の要因が影響しているタイプ

    両親共内向的で遺伝の影響もあり、さらに家庭でのしつけが厳しかったため、常に両親の顔色を伺うように。

    家庭環境も子供の性格に大きな影響を与えます。加えて遺伝や学校環境等、複数の要因が影響するケースも。

自分と向き合う必要性

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春井星乃

春井星乃Harui Hoshino

お茶の水女子大学大学院博士前期課程修了。臨床心理士として精神科クリニックに勤務し、東京都スクールカウンセラーも経験。心理学・精神分析・エニアグラム(9つのタイプによる性格分析法)を通して、人間の性格構造を明らかにする「イデアサイコロジー」を提唱。

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